会長指針)令和4年度新体制でスタート

令和4年度スローガン

不易流行

~大牟田の未来は俺たちが拓く!~

不易=変わらないこと,流行=変わるもののこと。「伝統を踏まえつつ,一方では新しいものを取り入れることが大切」「不易と流行のどちらが欠けてもだめ」ということ。
 商工会議所青年部にとっての不易とは「綱領」や「指針」,流行とは「時代や状況の変化」であり「それに対応すること」である。
 令和4年度においては,青年経済人として豊かで住みよい郷土を築くという目的や使命とそのための責任を自覚し,実践していきたい。

会長指針

「会長という役職をこのような方針で臨みます。」ではなくて「会長として,会そして会員にはこのような方針で臨んで欲しい。」という想いを伝えるため,会長指針を示します。
 令和4年度の事業を考える,あるいは今後の青年部を考える上で,どのように考え行動していけば良いのかの一助となれば幸いです。

 商工会議所青年部はYEGという略称で表されます。
 これはYoung Entrepreneurs Groupの頭文字であり,若き起業家集団と訳されます。
 そんな私たち大牟田商工会議所青年部は平成26年秋に発足し,次年度は10周年という節目の年を迎えます。
 早いもので,十年一昔の言葉どおり,新しい時代(次の10年)に片足を踏み入れようとしています。
 世界に目をやればCOVID-19のパンデミックに端を発した世界的な物不足に悩まされています。またヨーロッパではロシアによるウクライナ侵攻があり,本日(令和4年3月1日)現在,戦争終結の見通しは立っていません。さらにこれと歩調を合わせるかのように中国も不穏な動きを見せています。
 国内に目をやれば,失われた20年はもはや失われた30年となり,国民の平均所得は昔の水準のまま低迷を続け,そこにCOVID-19が追い打ちをかけている状況です。
 大牟田市においては人口減少の歯止めがきかず,10万人台となるのも時間の問題でしょう。
 さらに高齢化率は40%近くであり,現在の人口ピラミッドを見ればさらなる人口減少は誰の目にも明らかです。

 ところで青年部には「YEG宣言」「綱領」そして「指針」というものがあります。
 青年部の目指すべき目標が「綱領」,そこへ至る方法が「指針」,これらをなす上での心構えが「YEG宣言」であると理解しています。
 すなわち「商工会議所活動の一翼を担い(中略)豊かで住みよい郷土づくりに貢献する」ことが目的であり,そのためには「研鑽に努め,教養を高め,勇気と情熱を傾け,歩を進め,力を合わせ国の礎とな」ることが必要だというのです。
 またこれらをなす上で忘れてはならないのは「夢に挑むこと」「地域を愛し,日本を愛すること」「たくさんの仲間がいること」です。

 ここからは長期的視点・中期的視点・短期的視点に立って話を進めていきます。

【長期的視点】
 みなさんが青年部を卒業して20年経って70歳になったとき大牟田市はどうなっているでしょうか?
人口は?仕事の量は?住環境は?そもそも『大牟田市』として存続しているのでしょうか?
原則として,人口=お客様の数=収入となるため,我々商工業者にとって『人口』は大きな課題です。
この課題に対して,ある年齢層以上の人たちは非常に関心が薄いように感じます。
おそらく自分が生きている間は変化がないと思っているか,あっても大きな影響は受けないと思っているのでしょう。
ですが私たちは違います。
これからも大牟田市で商工業を営んでいかなければいけませんし,次の世代(私たちの子や孫の世代)にバトンタッチしていかなければなりません。
私たちは,子や孫の世代に対して,どのような大牟田市を残せるのでしょうか?
商工会議所は日本で三本の指に入る経済団体であり,その中でも最大の会員規模を誇ります。
また商工会議所は物申す団体(=政策提言団体)であり,物申す団体にとって数は正義です。
そして青年部はこの団体の一員なのです。
このまま何もしないのも,何とかしようと足掻くのも,大牟田市を捨てるのも,我々の選択次第です。
いずれの未来も私たちの手にかかっています。
今年度スローガンのサブタイトル「大牟田の未来は俺たちが拓く!」はこういった想いから付けさせて頂きました。
ただ,私はできるだけ足掻いてみたいと思っていますし,これにみんなを巻き込みたいとも思っています。
その第一歩が商工会議所を徹底的に『利用すること』です。
補助金・助成金の窓口としての機能,勉強会やセミナーなどの機会,そして何より『商工会議所』というブランド力を徹底的に利用して,私たちの経営体制・経済力を強化しなければなりません。
次に大牟田市のブランド力の強化です。大牟田市そのものでも良いし,人や食べ物あるいは場所など何でも構いません。既存のものを利用しても構いませんし,ふさわしいものが無ければ新たに作り出せば良いのです。
取りかかりは難しいかも知れませんが,住環境としての魅力・マーケットとしての魅力・観光地としての魅力など,大牟田市といえばコレ!という魅力が備われば,大牟田市はその分野においてまだ輝きを取り戻せます。
大牟田市の魅力となり得るものが見つかったら,大々的にPRしていくことです。
ところで人の動きの無いところにお金の動きはありません。逆に言えば,経済を回していくためには,人の動きを作り出すことが不可欠であると言えます。
春には三池初市,夏にはおおむた大蛇山まつりや港まつりといった市外へ誇れる素晴らしいものがあります。
しかし残念ながら秋と冬には人が集まるイベントがありません。
なければ作れば良いと思いませんか?無理な話ですか?
大分YEGは昭和60年に『府内戦紙(ふないぱっちん)』という祭を生み出し,今では大分市を代表する祭となっています。
当時の大分YEGにできたことが今の大牟田YEGにできないはずがないと信じています。

【中期的視点】
 令和5年度に迎える当会の10周年を皮切りに,令和6年度の全国大会,令和7年度の会員大会(県連大会)といった具合に,当会は大変重要な数年間が控えています。
 ちなみに令和7年度に会員大会を大牟田YEGが主催するということは,大牟田YEGから福岡県連の顔である県連会長を輩出するということであり,翌令和8年度には当該県連会長(その年には県連直前会長)が福岡県連代表理事として日本YEGに出向することを意味します。
 この数年間は,考えようによっては大牟田の魅力を全国に伝えることができるまたとないチャンスです。
 大牟田の魅力を十分に伝えることができれば人口(夜間人口あるいは昼間人口)や来訪者が増える可能性はゼロではないと思います。
 そのためには当会の組織力強化が欠かせません。
 なぜなら一部の人間だけでは決してなしえず,全員の力が必要だからです。
 また積極的に他単会と交流することも必要です。
 青年部は豊かで住みよい郷土づくりのために在りますが,同時に会員のためにも存在しています。
 他単会と交流して学ぶということは当会のためになることであり,引いては会員のためになることなのです。
何より外部からの刺激を受けること,他者と交流を図ることで自企業の発展にも繋げることも可能になります。
 また他の自治体へ実際行ってみることで大牟田の良さを再発見することもできますし,大牟田に足りないところを知ることもできます。
 当会が福岡県連(福岡県商工会議所連合会)・九青連(九州商工会議所青年部連合会)・日本YEG(日本商工会議所青年部)に属している目的ないし利点は,正にここにあると言えるでしょう。
 福岡県連内で行われる若手後継者等人材育成事業・県連大会等,九青連で行われる九州ブロック大会等,日本YEGで行われる全国大会等は,このまたとない機会なので,是非積極的に参加して頂ければと思います。

【短期的視点】
 『豊かな郷土づくり』と聞くと大変な印象を受けますが,青年部というところは,とても楽観的な人の集まりのようです。
 例年,当会は『会員交流』『ビジネス交流』『地域活性化』という三委員会を置いていましたが,他単会や日本YEGにも同じように設置しています。
 つまり「会員同士仲良くなり信頼関係・絆を深めることができれば,それはお互いの仕事に発展していく。」「そうして青年部会員が元気になれば,自ずとその地域も活気に満ちあふれるようになる。」このようなシンプルな考えに基づいているからです。
 しかしながら,過去2年に渡りCOVID-19のパンデミックによって対面型の事業はなかなか行うことができず,残念ながら一番の基礎である『会員交流』が図れなかったのが実情です。

 全ては理解から始まる
 大牟田商工会議所は今年度90周年を迎えます。
 商工会議所とは何をするところなのか?議員さんたちはどんな活動をしているのか?職員さんたちは普段どんな仕事をしているのか?大牟田商工会議所女性会とはどんなところなのか?
 私たちがこれを知ることは,逆に私たちを知ってもらうことに繋がります。
 先述したとおり,会員同士信頼関係・絆を深めることが重要ですが,これも会員同士理解し合うことから始まります。

活動の目的を理解する
 「YEG宣言」にある心構えをもって「指針」を実践し「綱領」を目指すことが青年部活動の目的です。
 より具体的かつ端的に言えば,【 会員交流 > ビジネス交流 > 地域活性化 ⇒ 豊かで住みよい郷土づくり 】となります。
青年部活動の際にはこの目的について意識してみてください。
目的に合ってさえすれば,内容については自由です。それが青年部です!

 事業はやるものであってやらされるものではない
 事業(イベントやセミナーなどを含む。)は「やれといわれたからやる」ではなく「やりたいからやる」であって欲しいと思います。
 事業=青年部 ┬ でもできること
        ├ だからできること
        └ にしかできないこと
      今 ┬ でもできる
        ├ ならできる
        ├ しかできない
        └ やらなければならない
 地域を支える青年経済人としてどのような事業を行うか(何ができるのか?何をやらなければいけないのか?),色んな視点で考えていきましょう。

 事業を行うことが目的ではない
 事業とは「行うこと」が目的ではありません。
 全ての事業は青年部の最終目標である「豊かで住みよい郷土づくり」と中間目標である「会員交流」「ビジネス交流」「地域活性化」を達成するための手段・方法なのです。
 事業立案の際には,当該事業を通じて何ができるのかを意識するようにして下さい。

 令和4年度も非常時
 今年度,COVID-19のパンデミックがどうなるのかは誰にも分かりません。
 言うなれば,昨年度までの非常事態は今年度も継続すると考えるべきです。
 平常時のやり方のままでは非常時に対応することは決してできませんので,あらかじめ非常時用の体制を取っておくことが肝要です。

 中止よりも延期の判断を
 基本的に,今年度に関しては特段の事情がない限り,事業の中止判断をするつもりはありません。
 どのような状況でも実施できる事業計画を立てるか,あるいは延期をしてやれるときにやる,そういう態度で臨みたいと思います。

 最後に
青年部にとっての「不易」と「流行」をしっかりと理解して日々の仕事そして青年部活動に臨んで欲しいと思い,今年度スローガンを定めさせて頂きました。
 会員交流~ビジネス交流に関しては,無意識のうちに実践されている方が大半だと思います。
 その日々の行動は,例え小さな一歩であったとしても着実に「豊かで住みよい郷土づくり」に近づいているのだということを忘れないでください。
 また今年度のイメージカラーは「若草色」と定めました。
 次の10年間で大牟田YEGという樹が根を張り,枝を広げ大樹となる。その第一歩の芽生えが令和4年度であるし,そうありたい。その願いが込められています。

大牟田商工会議所青年部 令和4年度会長 田中達憲